なみだふるはな
石牟礼道子・藤原新也
河出書房新社
2012年初版
単行本。
帯付き。ページまわりにヤケあり。本文にヤケあり。
状態良好です。書き込み見当たりません。
私の家にミカン山が一時期あったんですが、母が病気で出なくなりましたら近所のおばさんが、「はるのさん、畑に行きますばってん、なんかことづてはなかですか」とおっしゃるんですよ。(本書より引用)
私の本の読者という若いご夫婦が、京都で「KARAIMO BOOKS」という古本屋さんをしていらしたのですが、赤ちゃんが生まれ、今回の放射能のこともあって熊本でお仕事をしたいと相談されたんです。それで、いろいろ考えましてね。天ぷら屋さんみたいなのはどうかとか。カライモの天ぷらを。こんなに厚くして天ぷらにすると大変、お菓子なんかよりもずっとおいしいもの。もう食べ飽きていたカライモが大変おいしく、そういうのを売り出したらどうかなと思ったり(笑)。(本書より引用)
1950年代水俣、そして2011年福島。企業と国家によって危機に陥れられたこの2つの土地の悲劇をそれぞれに目撃した2人が、絶望と希望の間を揺れ動きながら語り合う、渾身の対話集。
【序文】
ふたつの歴史にかかる橋 藤原新也
1950年代を発端とするミナマタ。
そして2011年のフクシマ。
そのふたつの東西の土地は60年の時を経ていま、共震している。
非人間的な企業管理運営のはての破綻。
その結果、長年に渡って危機に陥れられる普通の人々の命。
にもかかわらず、まるで互いが結託するかのように虚偽の情報を垂れ流し、
さらに国民を危機に陥れようとする政府と企業。
そして、罪なき動物たちの犠牲。
やがて、母なる海の汚染。
歴史は繰り返すという言葉をこれほど鮮明に再現した例は希有だろう。
そのふたつの歴史にかかる橋をミナマタの証言者、
石牟礼道子さんと渡ってみたいと思った。