一銭五厘たちの横丁 (ちくま文庫)
児玉隆也
2025年
帯付き。カバー・本ともに良好です。書き込み見あたりません。
99枚の「氏名不詳」家族写真から、あの戦争が見えてくる。
町と人びとの戦中・戦後を掘り起こす渾身のルポルタージュ。
戦後80年、没後50年、ルポライター児玉隆也が遺した傑作が待望の復刊!
1975年日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。桑原甲子雄による写真100点を収録。
戦後30年を前にした東京・台東区の下町で、著者は、戦時中に桑原甲子雄により撮られた「氏名不詳」の人びとを探して、ひたすら露地を歩き、家の戸をたたいた。そうして探し当てた彼らが語ったのは、戦場と横丁、それぞれに降りかかった「戦争」だった。写真の留守家族たち、一銭五厘のハガキで出征した横丁の兵士たちの戦中・戦後を記録したルポルタージュの名著。
解説 鶴見俊輔/児玉也一
「写真は九十九枚で終ってはいるが、写されなかった百枚めの写真は、まぎれもなく撮影者の桑原自身であり、取材者の私であり、歴史に名をとどめることのない無量大数の氏名不詳日本人である。私の作業は、この写真の人びとの三十年後を訪ねることにあった。同時にそれは、天皇から一番遠くに住んだ人びとの、一つの昭和史を聞きとることでもある」(本文より)